2014年9月7日日曜日

17年。。。




パリの西に位置する広大なブーローニュの森。その一角にある植物園内のホールで毎年開催されている音楽祭にてれじとんの新曲が初演される、ということで、2人で行って来ました。

リヨン出身のイケメンピアニスト(笑)ウィレム•ラチュミアさんと、パリ国立高等音楽院在学中の若手女性ヴァイオリニストによるデュオの演奏会。

緑に囲まれたガラス張りのホールで聴く演奏会は、気持ちがいいですねぇ!
2人とも、なかなかの熱演でしたよ!!!

会場で久々にクリスティーヌ•ジョリヴェ女史(アンドレ•ジョリヴェさんの娘さん)や、素晴らしいピアニストでこの音楽祭を夫婦で主催されているフランソワ=フレデリック•ギーさんにもお会いし、、、

終演後のカクテルパーティーでは、日本語ペラペラのおじさんと友達になって大盛り上がり(笑)。

植物園に咲き乱れる薔薇の香りに包まれながらの楽しいひとときでした。




れじとんとは出会って19年程、ふと気づけば今年で結婚17年目になります。

結婚当初はそれこそ彼の作品初演の場には全て立ち会って、時にはパート譜書きの手伝いまで(笑)やってましたけど、最近は自分の事で色々と忙しくてなかなか初演を一緒に聴いてあげられてなかったよなぁ、と、デュオの調べを聴きながらちょっと反省したのでした。。。

そのれじとんですが、この度フランス学士院から賞をもらうことになりました!
11月の授賞式の場で初演されるオーケストラ作品を早く作らなきゃいけないんやけど、今月末の新作オペラの事で頭がいっぱいでそれどころではないらしい。。。

大丈夫やろかね??(汗)

れじとんのフランス学士院からの受賞は、今回で3度目、でしょうかね?
一番最初の賞はたしか「ピエール•カルダン賞」という名前で、実際授賞式にカルダンさんがいらっしゃってたのを覚えています。

パリ国立高等音楽院で知り合って結婚した時れじとんは28歳、私は23歳。
新婚生活を始めたものの、「こんなにお金ないのに、どないして暮らしてゆくねんな?」という状況やったもんなぁ〜(笑)。。。
れじとんは週5日出版社でライブラリアンとして働き、帰宅後すぐに机に向かって作曲、という日々。私はというと、学生を続けながら子供達にピアノを教えたりあちこちで伴奏の仕事を引き受けたり、という感じでした。

その後れじとんがローマ大賞奨学生に選ばれ、ローマのメディチ荘に1年半滞在。
この時、奨学生申請のための推薦状を書いて下さったのがアンリ•デュティユーさん。デュティユーさんには生前本当に色々とお世話になりました。。。

色んな国や街での初演にも立ち会いましたけど、、、
9月になると思い出すのが、2001年9月中旬にカリフォルニアで開催されたバークレー交響楽団の演奏会。

初めてのアメリカでの演奏会に向けてワクワクしながら2人で旅行の準備をしていたら、、、

突然9•11事件が勃発!

アメリカ中の空港が閉鎖し、現地入りが出来なくなってしまったのです!

結局空港が再稼働するまで1週間待っての出発となりましたが、新作を依頼して下さったこの演奏会の指揮者でバークレー交響楽団の音楽監督(当時)ケント•ナガノさんは事件当時ドイツにおり、リハーサルに間に合うためドイツから急遽メキシコまで飛んで、マネージャーにアメリカとの国境まで車で迎えに来てもらい、陸路でカリフォルニアまでたどり着いたのだとか。

結局演奏会は予定通り行われたのですが、ニューヨークとは反対側の西海岸とはいえ、殺伐とした雰囲気漂う中で聴く初演は、忘れ難い経験となりました。

ケント•ナガノさんとは其れ以来交流が続いており、目下モントリオール響との初演の企画が進行中のようですよ〜。これもまた楽しみですね!!


しかし、、、

17年も「作曲家の妻」をやってると、結構色々あったんやねぇ〜、と今頃気づいた(笑)。

れじとんの頑張りには私など足下も及びませんが、これからも人として、音楽家として共に向上してゆければ、と願う今日この頃!でございます(笑)


17年前




最近












2014年9月2日火曜日

めでたき事はさらに続き、、、

私が敬愛する師匠(時々上司(笑))のファビオ•ルイージさんが、2017年より3年契約でDR放送交響楽団(Danish National Symphony Orchestra)の首席指揮者に就任することが公式に発表されました!
今年の6月に急逝されたスペイン人指揮者ラファエル•フリューベック•デ•ブルゴスさんの後を引き継ぐ形となりますね。ちなみにこのオーケストラの首席客演指揮者はユーリ•テミルカーノフさんだったと思います。

去年の時点でルイージさんから「デンマークには良いオケがあるんだよ。しかも拠点としてるコンサートホールがジャン•ヌーヴェル設計のとても洒落た音響の良いホールでね〜」
というような話は聞いていたので、首席指揮者就任!と聞いてもさしては驚きませんでした。それにしても、ルイージさんにとってもオーケストラにとっても素晴らしい事ですよね!おめでとうございます!不肖な弟子は嬉しいです!!!!



嬉しかったので、ニュースを知ってすぐに「おめでと〜〜〜〜〜〜〜う」と書いたメールをルイージさんに送ったら、例によって即!返事が来ました。

お祝いの言葉に対する御礼に加えて、驚いた事に、私が先日厚かましいのを承知でお願いした「インドネシア•ユース交響楽団」(Indonesia Youth Symphony Orchestra)の音楽アドヴァイザー役を、なんと!喜んで引き受けて頂けるとのこと!!!しかも「音楽顧問でもアドヴァイザーでも、名前は何でもキミの好きなようにつけるといいよ。いずれにせよキミとキミのオーケストラを出来る限りサポートします」って。。
おおおおおおおお〜〜〜〜。。

すごい朗報!早速インドネシアの若者達に伝えましたよ。もう、大騒ぎでんがな(笑)。

ルイージさん、ありがとうございます!!!!!!



昨日はフィンランド人女性指揮者のスザンナ•メルッキさんがヘルシンキ•フィルハーモニーの首席指揮者に就任したという朗報も入って来ましたよ!

彼女はつい最近までアンサンブル•アンテルコンタンポランの指揮者だったので、パリでよく顔を合わせておりました。すごく気さくな方ですよね。おめでとうございます!

めでたい事続きだと気分いいですね〜!

さて、今日は久しぶりに友人のフランク君に会います。彼はミシェル•プラッソンの片腕役をかれこれもう10年以上担ってるのかな。普段は南仏に住んでるけど、目下パリ新オペラ座(バスティーユ)の合唱指揮者代行としてパリにいるのです。会えるの楽しみ!!

2014年9月1日月曜日

純明くんおめでとう!

本年度の芥川作曲賞が鈴木純明さんに決まったという嬉しいニュースが日本から!

東京芸大やパリ国立高等音楽院で顔見知りだった先輩や後輩がすでに何人もこの賞を受賞していますが、今回の純明くん受賞の知らせは、喜びを通り越して心から感動しました。

純明くんとは芸大作曲科の同級生(といっても、純明くんの方が若干年上でしたが)。
その後私が結婚してパリに居を構えた後も、パリ国立高等音楽院の作曲科で研鑽を積んでいた純明くんとは、れじとんも交えてずっと付き合いが続いておりました。

大学生の頃からずっと、飲み会があればいつも「幹事役」。いつも全体の事を考えて行動し、その場が和やかになるようなひと言をさりげなくフォローする、そんな優しさを持った人でしたね。痛々しい程に謙虚な所があって、自慢話など一度も彼の口から聞いたことはありません。でも、当時からもの凄く博識で「自分の世界」を持ってる人だなあ、と思っていました。
何となくその風貌や独特のトーンが「内気な文学青年」いや、違った(笑)「明治時代の書生」を彷彿とさせる純明くん。今では母校の芸大やその他の学校で、先生としてもとても慕われているようですね。

今年の春にれじとんと来日した際、純明くんが忙しさの合間をぬって改築後間もない東京芸大の学内を案内してくれました。純明くん(というか、鈴木准教授、ですね(笑))のレッスン部屋まで見せてもらい、れじとんが大喜びであちこち写真を撮りまくっていました(笑)。
その後根津まで3人で散歩して、美味しい串揚げをごちそうになりながら積もる話に花咲かすうちに、最近作った作品の話題にもなりました。


この数日後に、純明くんが「レジスがフランスに帰る前に届くといいけど」と、わざわざ私達の滞在するホテルまで郵送してくれた自作のオーケストラスコア。
この作品が、今回の受賞作、だったわけだ!!!!
と、いうわけで今日再びこのスコアを読み返しております。。。



それにしても、、、

作曲家って過酷な職業ですよね。。。

創作するためには才能も多少は必要でしょうが、それ以上に生涯にわたって創作活動を継続してゆけるだけの強い精神力と忍耐強さを持っているかどうかが最終的なカギとなるのかなぁ〜、、なんて作曲家の旦那を見ながら思う今日この頃です。

「継続は力なり」って言ったのは、、、

あっ!ベートヴェンか(笑)


純明くんが着実に誠実に綴って来た作曲家人生が、これから益々熟成して花開く事、同級生として、友人として、心より応援しております。

おめでとう、純明くん!!!