2014年12月29日月曜日

2014年心に残ったことは。。。




2014年、心に残った出来事ベスト5


1 日本で初めて指揮者として客演したこと




4月から5月にかけ、東京でTokyo Ensemnable Factoryとオーケストラ・ニッポニカの2団体の演奏会に客演し、幸せな音楽時間を共有させて頂きました。
日本語がかなりアヤシくなっている私としては、リハーサルの度に「ちゃんと理解可能なしゃべり方をしてるんやろか?」と、内心ドキドキやったのでした(笑)。。。
年末の朝日新聞文化欄に、ニッポニカの演奏会について触れられていたようで、、、光栄な事ですね。お世話になった演奏家の皆様方に感謝!感謝!です。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S11508641.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11508641




2 インドネシアで新しいユースオーケストラを立ち上げた事



5月中旬から下旬にかけては、インドネシアに2回目の訪問をし、スラバヤ市とジョクジャカルタ市で学生オーケストラの演奏会を指揮しました。
で、まあ、、、すったもんだあーだこーだ(書くと長くなるので省略(笑))の末、インドネシア初のユースオーケストラを立ち上げることになった、と。
立ち上げ途中のオーケストラの話が、すでに日経新聞の記事に載ってしまった!(笑)


何だかインドネシアが第三の故郷になった気分です(笑)。
私を「お母さん」と呼ぶ若者達との、アドヴェンチャーの始まり始まり!(笑)

Indonesian Youth Symphony Orchestra
https://www.facebook.com/pages/Indonesian-Youth-Symphony-Orchestra/698476646912330?ref=hl



3 師匠との初仕事

6月から7月にかけて、私の永遠の師匠ファビオ・ルイージさんの副指揮者として、イタリアでのオペラ公演に参加しました。ルイージさんが来るまでの2週間半は、心から楽しく仕事できたし、ルイージさん合流後は毎日が「目から鱗」。多くを学んだ幸せな日々でした。
この仕事をきっかけに、ルイージさん&ファミリーと親しくなったのは嬉しいし、ルイージさんの愛弟子のカザフスタン人指揮者ともの凄く意気投合しちゃって、毎晩オールナイトでビール飲みながら議論し続けた事はお互い一生忘れないと思うわぁ〜(笑)。






4 パリで新しくアンサンブルを立ち上げたこと

2005年に立ち上げて9年間音楽監督を務めていたアンサンブル・ミュルチラテラルを脱退し、9月に新しい現代音楽のアンサンブルを作ってしまいました。



気の合う仲間達と、「現代音楽を若い世代に気軽に聴いてもらう」という教育目的で発足したアンサンブル。大事に育ててゆければ、と思います。

Musica Universalis
http://www.musica-universalis.info



5 れじとん(旦那)のオペラ初演





考えてみれば、今年一番大変だったのは、9月に世界初演された旦那のオペラにまつわる云々、なのだな(笑)。
作曲してる時点から、かなり私も色々と関わったし。。。

れじとんが数年前に発表した小さなオペラが批評家達からすごく好評だったのと、この企画が日独オペラハウス提携の大規模なものだったのとで、今回のオペラ初演はあちこちから結構注目されていました。

で、結果は、、、、

大成功!

れじとんは11月にフランス学士院より受賞。つい先日「ヴィクトワール・ド・ラ・ミュージック」という、フランスの国営テレビ局France 2が毎年開催する、フランス版「レコード大賞」みたいな番組の「作曲家部門」にノミネートされた、と。
来年の2月にFrance 2の生放送番組で、批評家&演奏家達の投票の集計による結果が発表されます。私もれじとんと一緒に立ち会って来ますですよ。。。

レジス・カンポ オペラ「西埠頭」ハイライト



まあ、こんな感じで、、、
我が家はおかげさまで今年も充実した日々でした。
来年も健康に気をつけながら精進致します。。。。

お世話になったみなさま、ありがとうございました!!!
どうぞ良いお年をお迎え下さいね!!

2014年12月6日土曜日

アムステルダムに行って来ました



れじとん(旦那)のヴァイオリン協奏曲が久々に演奏される、というので、2人でオランダはアムステルダムまで一泊旅行に行って来ました。

アムステルダムは私達にとってものすごく思い出深い街なのですよ。というのも、、

今は遡ること18年前。

私は2年間のパリ留学を終えて一旦日本に戻り、東京芸大に復学して単位取得にいそしむ日々を送り(笑)、、

れじとんはというと、パリ国立高等音楽院の作曲科を卒業したばかり。出版社でのバイトでかろうじて食いつなぐ貧乏青年(笑)。

こんな2人なのになぜか「遠距離婚約中」で(笑)、私は夏休みを利用してパリまで婚約者に会いに行った、と。

ちょうどその夏、オランダはアムステルダムで毎年開催される「ガウデアムス国際音楽週間」という現代音楽祭での作曲コンクールの本選にれじとんのパリ音の卒業作品が選ばれた、つうんで、2人でアムステルダムに10日間程滞在したわけです。

婚約者との甘〜い旅行、な〜んて予想してたら大間違いで(笑)、毎日毎日世界中からやって来た作曲家達とホテルで熱く議論したり、セミナーに参加したり、リハーサルを見学したり、、、英語もフランス語もろくにしゃべれなかった私は、ついて行くだけでも必死!楽しかったけど、めっちゃ疲れる日々でした(笑)。

作曲コンクールの本選は「演奏会形式の審査」になっていて、演奏会の指揮を担当するのは、並行して開催されている「指揮マスタークラス」の受講生達。この時初めて私は、指揮マスタークラスの講師として招かれていたハンガリー人作曲家&指揮者、Peter Eotvös(ペーター・エトヴェシュ)さんにお会いしたのでした。。

本選に残っている作曲家達、さすがに世界中から選ばれただけあってツワモノ揃い。
中でも1人「絶対に俺が優勝だぜ!」的自信満々オーラを出しまくりなオランダ人作曲家がいて(笑)、みんなで「きっとアイツが優勝するんだぜ」って言ってたんですよ。。

で、いざフタを開けてみたら、、、

なんとっ!

れじとんが優勝!!(笑)

このコンクールでの優勝と、この2ヶ月後に「アンリ・デュティユー国際作曲コンクール」にも優勝したことが、れじとんの作曲家としての正式なキャリアのスタートとなったようなものですね。

まあそんなことで、、、
アムステルダムには思い出がいっぱいあるわけです、はい(笑)。

ガウデアムス国際作曲コンクールの優勝者には賞与として新作が委嘱され、その作品が次年度の音楽祭でオランダを代表する現代音楽アンサンブルNieuw Ensembleによって初演されるわけです。
で、れじとんがこの時作曲したのが、今回同じNieuw Ensembleによって17年ぶりに再演された「ヴァイオリン協奏曲」だった、と。

「やあ!久しぶりだねえ!またこの作品を演奏できて嬉しいよ〜!」
って、アンサンブルの人達もれじとんに次々声をかけて懐かしがってました(笑)。



それにしても、、

18年前の初訪問以来、オランダには何度も何度も来てますけど、、

オランダ人って、なんでこんなにフレンドリーで柔軟性抜群なんやろう??
って、毎回感心しちゃいます。
地理的理由で国民全体がトリリンガル(オランダ語、英語、ドイツ語)ってのも影響してるのかもしれないけど、価値観の許容範囲が広いというか、視野が広いというか、、。

れじとんの作品が演奏されたのは、いわゆる典型的な現代音楽のコンサート。
聴きに来るのはマニアックな若い常連のお客ばかりか、と思いきや、、、
客席には70代以上のおじいちゃんおばあちゃんがいっぱいいて、みんな好奇心満々な目をキラキラ輝かせながら聴いてるんですよ!

演奏会の最後を飾った作品が、クラシックとジャズを両方勉強した作曲家によるアンプギターソロとアンサンブルのためのファンキーな音楽(笑)で、なかなか楽しかったのです。
そしたら、終演後おじいちゃんおばあちゃん達が「ブラヴォー!」と叫びながら次々と立ち上がり、スタンディング・オヴェーションの嵐が巻き起こった!!

いくつになっても新しいものに積極的に触れ、それを楽しむ事が出来る柔軟な感性といい、、、

特定の美学にこだわらず自由でバラエティに富んだプログラムを組める芸術監督といい、、、

技術の高さもさることながら、人間味溢れる演奏を披露してくれたNieuw Ensembleの皆さんといい、、、

色んな意味でこの国の教育と文化的な懐の深さを目の当たりにした演奏会でした。




素晴らしい演奏会に立ち会えただけでも申し分ないオランダ滞在、だったのですが、、、

今回私がネットで検索して直感的に選んだホテルが、これまた大当たり!!!(笑)

仕事柄色んなホテルを利用する私ですが、プライヴェートで滞在するなら、やっぱりオーナーの人となりがにじみ出るようなプチホテルが好みですね。

今回のホテル、1つ1つデザインが全く違う9室の部屋からなる「普通のおうち」風ホテルで、センス抜群!

内装も丁寧に考え抜かれているし、家具類はおそらくオーナー自身が足しげく蚤の市に通って探して来て自分で修繕したであろう骨董品。





部屋に付いてる冷蔵庫の中には「ウエルカムドリンクです。どうぞ好きなだけお召し上がり下さい。」と、シャンペンやビール、ソフトドリンクにおつまみの数々が!



朝食はたったの5ユーロ。食材は全部健康に良いもの&フェアトレード商品ばかりで、サロンでは24時間いつでもホットドリンク無料飲み放題。
写真に写ってるスナックコーナーに置いてある飲み物とスナック類は、24時間セルフサービス。安くってしかも支払いは自己申請。

DVDコーナーもあって、好きな映画を部屋で見られるし、、

オーナーもスタッフもみんな気さくで優しい!

しかもっ!

こんな素晴らしいサーヴィスの割に、料金がリーズナブル!!!!(笑)

「また絶対ここに泊まります!」と、オーナーのベリーさんに固く約束しちゃいました!


あと、我々がアムステルダムに来たら絶対に欠かせないイベントが

パンケーキを食べること!(笑)




ちょっと見た目が「チヂミ」に似てますが(笑)、味はヨーロピア〜ン!! 美味っ!!


それに今回は、シーフード専門店にも行きました。

新鮮な魚介類を生や、丸焼きや、フライや、寿司や(笑)、いろんな形で食べられるお店。

私は牡蠣の食べ比べプレートを注文したのですが、、、



1種類だけずば抜けて美味しい牡蠣があったので、思わずレストランのオーナーに質問!

アホーヤ「このTsarskayaっていう牡蠣、めっちゃ美味しいんですけど、産地はどこ?」

オーナー「おお!あなた、わかってくれて嬉しいねえ!その牡蠣は、ブルターニュ地方はカンカルの、ごく限られた区域でしか生産してない牡蠣でね、、、昔ロシアの皇帝が気に入って買い占めてたから、そんなロシアンな名前が付いたらしいよ。すごく肉の旨味があるよね。」

アホーヤ「オーナーはこの店で扱ってる魚介類、全部自分で味わって選ぶんですか?」

オーナー「そりゃそうだよ。それが専門だからねえ。大変といえば大変だけど、時々嬉しい驚きがあったりして、なかなか面白い仕事ですよ。」

なんか、すげーマニアックなシーフード専門店だったようで、ツボでした(笑)。


帰りの新幹線の中。

駅の売店で買ったサンドイッチをむしゃむしゃ食べてたら、、、

車掌が食事を運んで来た!(笑)




18年前の「超絶ド貧乏初アムステルダム旅行」を2人でしみじみ思い出しながら、車中ですっかり飲んだくれましたとさ(笑)。


さあ!これで楽しい思い出がまた1つ増えました!


そして、、、、

来週はドイツ滞在だあっ!!